老人性難聴の人と「YYProbe」を使って会話する

「YYProbe」とは

自動車部品メーカーである株式会社アイシンが開発・提供しているYYProbeを紹介します。YYProbeは、老人性難聴の人とコミュニケーションを取る際に便利な音声認識アプリです。話した内容がリアルタイムに文字化される意思疎通支援に適したアプリで、AIによって会話の内容を自動で認識し、文字に変換してくれます。注目したいのが、健聴者の話すスピードで早く文字起こしをしてくれること。また、騒音のある場所でも、しっかり音を拾い正確に文字化できます。
YYProbeの使い方は、スマホやタブレットなど身近にあるデバイスにアプリをインストールし、起動して会話をするだけです。文字化されるまで非常にスピーディなのでストレスがありません。画面に表示された内容を相手に見てもらうだけで情報が伝わります。通常の筆談では文字を書く手間があり、情報を伝えるまでにどうしても時間がかかってしまいます。しかし、YYProbeを使えば話した内容をスムーズに伝えることが可能です。

特徴

騒音の中でも音声を認識してくれるので、わざわざ声のボリュームを意識して会話する必要はありません。人前でも気兼ねなく話せます。また、何度も聞き直すようなこともなくなるでしょう。 YYProbeは、同社が聴覚障害を持つ従業員約300名の悩みと向き合い、試行錯誤して作り上げたアプリの1つです。自動車部品メーカーだからこそ実践可能な、工場の騒音環境下における実証を繰り返し、とことん使い心地を追求してきました。そのため、屋外や外出先でも精度の高い文字変換に期待できます。
また、拾えるのは会話だけではありません。笑い声も音として認識し、デバイスの画面に結果として表示されるのが特徴です。老人性難聴の人とのコミュニケーションで、その場の和やかな雰囲気が伝わる画期的な機能が搭載されているのは、大変魅力的なのではないでしょうか。今、まさに会話がなされている状況で、一人だけ話についていけなかったり、雰囲気を読み取れなかったりするのは、当事者にとって辛いものです。その点、笑い声を文字化してすぐに雰囲気を察知できるYYProbeは、聞こえづらい人にとって楽しく会話をする手段となり得ます。
また、発言内容は音声とテキストで保存される仕組みで、過去の会話をキーワード検索することも可能。こうした履歴や記録を保管するアーカイブ機能もあり、老人性難聴の人とのリアルタイムなやり取り以外に、会話した内容の確認にも活用することができます。そのほか、撮影した画像を投稿する機能も搭載されており、イメージを伝えるのに役立ち、より会話に花が咲くことでしょう。