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知っておきたい老人性難聴のこと

老人性難聴の人と話す際のコツ

話す時はゆっくりはっきり

話す時はゆっくりはっきり

どう聞こえているかを理解する

まず理解すべきなのは「相手にどう聞こえているか」という点です。老人性難聴になると、ひび割れたような、ひずんだ音に聞こえます。音の違いが分かりにくいので、そのことを理解した上で言葉を発するようにしましょう。

伝わりやすい話し方

ゆっくりはっきり話すことを心がけてください。適度な音量で、一つひとつの言葉を明瞭に発音しましょう。普段よりも2倍くらい時間をかけて話すといいでしょう。こちらの音が聞こえているか、言葉を理解できているかを常に確認しながら、その人に合った音量やスピードを見付けていくようにしてください。時間がかかって面倒に感じるかもしれませんが、聞き返されることや誤解が少なくなるので、結果的にコミュニケーションの効率はよくなります。お互いがしっかり会話する意識を持つことで、相手との関係性もよくなっていきます。気持ちのいいコミュニケーションを取ることで、信頼関係の構築につながります。
できるだけ耳元に近付いて話すのも効果的です。マスクをしていると声が通りにくく、表情から情報を得ることもできないので、ゆっくりはっきり話すことが重要になります。高度の難聴を抱える人や体調不良者が近くにいて大きな声が出せない場合は、身振り手振りや筆談に切り替えてください。
なお、話し方を変えてもコミュニケーションを取るのが難しい場合は、耳鼻科を受診することをおすすめします。

大きい声は避けること

老人性難聴で聞き取りにくいのは「タ」「パ」「カ」「ナ行」「マ行」などです。これは、周波数が似ているためです。脳に伝わる信号の数が減少するので、早口になると余計に聞き取れなくなります。小さい声が聞こえにくいのは当然のことですが、だからといって大きい声が効果的なわけではありません。老人性難聴になると、大きい音がさらに大きく聞こえる「リクルート現象」が起こります。ちゃんと聞こえるようにと大声で話しかけてしまうと、「びっくりした」「うるさい」などといわれてしまうでしょう。こちらから話しかけた際に反応があるなら、音自体は聞こえています。聞き返された際には必要以上に音量を上げず、適度な大きさの声で話すように心がけましょう。
また、低い声の方が聞き取りやすいという説もありますが、実際は聞き取りづらいことが多いようです。それよりも、言葉を一つひとつ区切りながら、短い言葉で話すことを意識してください。一文節が長かったり内容が難しかったりすると、ゆっくり話しても情報が伝わらないことがあります。専門用語などはできるだけ避けて、簡潔な言葉で伝えてください。